top of page

チームが自然に生まれ変わる ―「らしさ」を極めるリーダーシップ

執筆者の写真: Hajime HottaHajime Hotta

こんにちは、堀田創(ホッタ・ハジメ)です。このブログを読んでくださる方々には、AIやデジタル時代の戦略論など、これまでいろいろな話題をお届けしてきました。けれども、私が日々強く感じているのは、「組織が変わる」ことの本当の難しさです。


いくらDXや最新テクノロジーを導入しても、そこにいる人たちの意識や行動が「仕方なく」の延長線だったり、「モチベーションを高めましょう」という外からの押しつけだけだったりすると、なかなか本質的な変革には至りません。私自身、創業者や経営者の立場として数々のプロジェクトに関わってきた中で、「結局、人は“やらされ感”だけでは動かない」という事実に何度も突き当たりました。



ではどうすればいいのか?著書『チームが自然に生まれ変わる──「らしさ」を極めるリーダーシップ』 は、私が自分の体験から何度も「壁」にぶち当たりながら、そして認知科学・心理学の知見を学びながら、「人やチームを動かす源泉は、外ではなく内にある」という結論に到達したことをきっかけに執筆したものです。


「根性論やトップダウンではなく、内側から沸き起こる“やりたい”というエネルギーこそ、最高の成果を生むんじゃないか?」――この問いに対する解決アプローチが、“チームが自然に生まれ変わる”リーダーシップです。


なぜ“自然に”生まれ変わることが大事なのか


1. 外的モチベーションの限界


今の時代、「ここまでやったら○○の報酬があるよ」「やれないならお仕置き(罰)」というアメとムチの手法は、特にリモートワークや多様な働き方が広がる中、効果が薄れてきました。それどころか、外から強制すればするほど、人の内面は「抵抗モード」に入り、最低限しか動かなくなります。


2. Want to(やりたい)× エフィカシー(できる気しかしない)


そこで鍵になるのが、本書で繰り返し登場する「Want to(やりたい)」「エフィカシー(自己効力感)」という概念です。「自分が本当にやりたい未来」や「心から惹かれるゴール」を思い描き、それに対して「自分ならできる」という根拠なき確信さえ湧けば、人は自然と動き出します。リーダーが部下を“誘導”するのでなく、部下自身が内からエンジンをかけていく。その瞬間が、チームの空気をガラリと変えます。


3. リーダーがまず“Have to”を捨てる


自分の仕事やスケジュールを振り返ったとき、「やらなきゃいけないからやってることばかりだな」と愕然とした経験があります。でも、そこを捨てる勇気を持てると、一気に“Want to”のスペースが生まれる。あえて得意でない業務を外注してみたり、時にはミーティングを大胆に削減したり……そうしてクリエイティブな時間を取り戻した時に初めて、「俺は本当はこれをやりたいんだ」という想いに気づけます。リーダーが自分の“Want to”を取り戻すと、チームにも「こんな働き方、こんな挑戦が許されるんだ」という肯定的な空気が広がります。それだけで、強制では得られなかった動きが自然と生まれ始めるのです。


4. パーパス(組織の目的)と個人の“やりたい”を重ねる


組織全体を動かすには「会社としてのパーパス」が欠かせません。ただし、ありきたりな理念や数字目標では人は燃えません。そこに本当にワクワクする未来があるか、そこに自分の“やりたい”がどう噛み合うのか――その重なりを丁寧に対話することが、実はトップダウンの千倍大切だったりします。本書では、1on1やフィードフォワード(未来志向の質問)など、具体的なコミュニケーション手法も紹介しているので、すぐに実践してみることをおすすめします。


私の想い――「自分の内面を変えなければ、組織は変わらない」


私がテクノロジーやDXの世界で活動するなか、「システムを導入してもチームが動きません」という声を何度も聞いてきました。しかし本当に変えるべきは、人の“内面モデル”。リーダーもメンバーも、「やらされる」「やむを得ない」という枠組みを抜け出し、「やりたいからやる」「できる気しかしない」と自己を再定義する――そこにこそ、圧倒的な成長とイノベーションの余地があるのではないでしょうか。


この本は“内面からチームを進化させる”ための具体的なフレームワークです。これまでの経験と理論を総動員してまとめましたので、リーダーとして悩んでいる方はもちろん、「チームや会社をもっと面白くしたい」と感じている人なら、きっとお役に立てるはずです。


おわりに


「自然に動く組織なんて理想論では?」と思うかもしれません。けれど、多くの現場を見てきた結果、私には確信があります。人は外から押されるよりも、内から湧き出す“やりたい”で最も大きな変化を起こす。 そしてリーダーにこそ、その“火種”を引き出すスイッチを入れる力がある。もし今、チームの現状にモヤモヤしているなら、一歩踏み込んでこの新しいリーダーシップ像に触れてみてほしい。きっと、「これならうちのチームも変われるかも」というヒントが見つかると思います。

 
 
 

Comentarios


Hajime Institute

Hajime Institute 

info@hajime.institute

Hajime Instituteは、法的に認められた法人、組織、または事業体ではありません。本ウェブサイトはHajime Hottaが個人的な目的で運営しているものであり、情報提供を目的としています。

bottom of page